緩和ケアとは?
- 航 山田
- 5月11日
- 読了時間: 8分
更新日:1 日前
緩和ケアとは?
緩和ケアとは、病気の「治すこと」だけを目的とせず、患者さま一人ひとりの「つらさ」を和らげ、生活の質(QOL)を大切にする医療です。がんをはじめとした重い病気にかかった方やそのご家族に対して、身体だけでなく心のつらさにも寄り添いながら、その人らしい時間を過ごせるよう医療的・介護的に支援します。
緩和ケアで大切にしていること
痛みや吐き気、息のしんどさや体のだるさなど、身体症状の緩和を行います
不安や気持ちの落ち込みといった心のケア
ご本人やご家族の希望を尊重した医療の提供
在宅療養や終末期ケアに関する支援
家族の大変さを緩和する社会的資源の情報提供
緩和ケアは、「もうどうしようもない状態」「がんの治療が終わった後」や「人生の最期に近づいたとき」に始まるものと捉えられがちで、どうしてもマイナスイメージが強いですが、どの治療段階においても症状緩和という治療は行っています。例えば風邪で発熱した時に内服する解熱鎮痛剤もその一つです。原因疾患に対する積極的な治療は行わない段階、治療を行うことがむしろご本人様の苦痛になる可能性が高い場合に、症状緩和を目的とした治療を積極的に行う、というケアです。
積極的治療は行わない、緩和ケアのみを行うと言われると、寿命を縮めてしまうのではないか、何もやりたいことが出来ないのではないか、もう寝かされてしまうのか、という不安の声をよく聞きます。むしろ緩和ケアを行うことで体調がよくなり、何かしらの苦痛症状も緩和されるので、好きなことが出来たり、家族との時間を有意義に過ごせたり、しんどさが少ない分前向きに生活を送ることが出来ることが多いです。
まずは緩和ケアを正しく理解し、ご自身に合った緩和的治療を行っていく必要があります。
当院では、患者様が安心してケアを受けられるよう、身体の苦痛や不安をしっかりとお聞きし、専門的な医療・介護の知識でサポートいたします。
在宅緩和ケアの実際
緩和ケアとは、病気の「治すこと」だけを目的とせず、患者さま一人ひとりの「つらさ」を和らげ、生活の質(QOL)を大切にする医療です。がんをはじめとした重い病気にかかった方やそのご家族に対して、身体だけでなく心のつらさにも寄り添いながら、その人らしい時間を過ごせるよう医療的・介護的に支援します。
緩和ケアで大切にしていること
痛みや吐き気、息のしんどさや体のだるさなど、身体症状の緩和を行います
不安や気持ちの落ち込みといった心のケア
ご本人やご家族の希望を尊重した医療の提供
在宅療養や終末期ケアに関する支援
家族の大変さを緩和する社会的資源の情報提供
緩和ケアは、「もうどうしようもない状態」「がんの治療が終わった後」や「人生の最期に近づいたとき」に始まるものと捉えられがちで、どうしてもマイナスイメージが強いですが、どの治療段階においても症状緩和という治療は行っています。例えば風邪で発熱した時に内服する解熱鎮痛剤もその一つです。原因疾患に対する積極的な治療は行わない段階、治療を行うことがむしろご本人様の苦痛になる可能性が高い場合に、症状緩和を目的とした治療を積極的に行う、というケアです。
積極的治療は行わない、緩和ケアのみを行うと言われると、寿命を縮めてしまうのではないか、何もやりたいことが出来ないのではないか、もう寝かされてしまうのか、という不安の声をよく聞きます。むしろ緩和ケアを行うことで体調がよくなり、何かしらの苦痛症状も緩和されるので、好きなことが出来たり、家族との時間を有意義に過ごせたり、しんどさが少ない分前向きに生活を送ることが出来ることが多いです。
まずは緩和ケアを正しく理解し、ご自身に合った緩和的治療を行っていく必要があります。
当院では、患者様が安心してケアを受けられるよう、身体の苦痛や不安をしっかりとお聞きし、専門的な医療・介護の知識でサポートいたします。
在宅緩和ケアの実際
在宅緩和ケアは当院訪問診療医を含む地域の専門職者と一緒に行います。病院とは違い一か所にすべての薬剤、機械、それを扱う看護師が居ません。当院では専門の関係各所と綿密な連携を取りながら、診療を行っており、必要な時に緩和ケアも一緒に行います。
各専門職の紹介/役割
訪問診療医
・診療を行い、患者様の状態を的確に判断
・患者様、ご家族様の想いの傾聴
・状態の確認を行い必要な薬剤の処方
・緊急時の対応
・必要な処置、ケアを多職種へ指示
・必要時、病院受診・入院の調整
訪問看護師/訪問セラピスト
・普段から体調の管理
・日々の状態からの変化を読み取り、必要なケアの実施
・状態に合わせたケアの立案、多職種への指導
・変化があった際の報告、相談
・患者様一人一人とご家族の想いの傾聴
・必要な医療的な処置の実施、その後の評価
・状態に合わせたリハビリの実施
訪問薬剤師/薬剤師
・指示のあった薬剤の準備
・処方を患者様宅へお届け(訪問薬剤契約の方のみ)
・医師、看護師、患者様・家族へお薬の飲み方、使用方法、注意点の指導
・薬剤使用後の評価
ケアマネージャー
・介護的な面での必要なケアの立案
・ご家族の介護負担の評価
・介護保険下での利用可能なサービスの提案
・日々変化する状態に対する患者様・家族の精神面のサポート
ホームヘルパー
・介護計画に基づくケアの実施、評価
・生活の中で気付いた点の報告、相談
・患者様の生活に寄り添った想いの傾聴
福祉関係者(デイサービス、デイケア、ショートステイ、訪問入浴)
・患者様・ご家族様で対応困難な場合の介護面でのケアの実施
・状態に合わせたケアの実施
・指示に基づいたケアの実施
・状態観察、状態変化時の報告、相談
以上のような専門職のメンバーでチームを組んで患者様一人一人に沿った医療・介護を提供し、在宅における緩和ケアを提供しております。
緩和ケアで実際に出来ること
痛みの緩和、息苦しさの緩和、倦怠感の緩和、吐き気の緩和、浮腫みの緩和、食欲不振の改善、発熱の改善、痒みの改善、しびれの改善
・痛みの緩和の実際
痛みの原因は様々ですが、緩和ケアでの痛みの代表はがんによるがん性疼痛です。
癌性疼痛に対する痛み止めは内服薬、貼付材、座薬、点滴と様々な形状があり、患者様に合わせた薬剤の選定が可能です。一般の痛み止めでは痛みのコントロールが出来ない場合は医療麻薬も用いて対応いたします。がん性疼痛のほかにも、腰痛、頭痛、関節の痛み、痒み等の対応も行っています。
・息苦しさの緩和の実際
息苦しさの原因は、原疾患によるもの、原疾患に付随するもの、心因性なものがあります。緩和の方法としては原疾患への治療、酸素投与、肺を圧迫しているものの改善(胸水等)、精神安定剤等です。まずは原因をしっかり特定し、それに合わせた治療を行っていきます。
・倦怠感の緩和の実際
倦怠感にも様々な要因があります。まずは原因を考え、栄養療法、内服治療、点滴治療等を行って改善を図っていきます。
・吐き気の緩和
吐き気の原因も様々あります。原疾患によるもの、原疾患に付随するもの、薬の副作用、心因性な要因かを判断し対応を行います。緩和の方法としては内服治療、座薬治療、点滴治療があります。また消化器疾患による通過障害のために嘔吐を繰り返す場合は鼻からチューブを挿入しドレナージを行います。
・浮腫み/腹水の緩和
浮腫みの原因は、リンパの流れの障害、静脈の圧迫・閉塞によるもの、血液中の蛋白不足、薬剤の副作用などがあります。原因を特定し内服治療、点滴治療、栄養管理、対処療法、運動療法、腹水の場合は腹水穿刺などを行います。むくみを改善することで見た目の変化だけではなく動きづらさの改善や皮膚のトラブルを回避できます。
・食欲不振の改善
食欲不振の原因は原疾患によるものが主ですが薬の副作用、心因的な要因、環境や生活習慣、味覚障害、歯の問題によるものが考えられます。まずは原因を考え、対処法を検討していきます。原疾患によるものであればその原疾患に対する対応を行い、対応が難しいのであれば対処方法を検討します。薬の副作用であれば薬剤を変更し、味覚障害であれば改善できる可能性のある薬剤、口腔ケアを指導し、歯の問題であれば歯科へ紹介いたします。高齢者の食欲不振の多くに味覚障害、入れ歯が合わない等が隠れている場合がありますので、原因究明が重要です。食事内容の工夫も当院栄養士と行っています。対応を検討した後に、それでも食事摂取が出来ない場合は点滴療法も可能です。
・発熱の改善
発熱の原因は細菌・ウイルスによる感染症のため、がん腫瘍に伴う腫瘍熱、薬剤性、自己免疫疾患によるもの、脱水、熱中症などがあります。原因の精査を行い、抗生剤等の薬剤投与や解熱鎮痛剤(内服や座薬、点滴などの使用)で対応します。脱水・熱中症の場合は適切にクーリングを行い、水分摂取の促し、点滴補液を行います。
・痒みの改善
痒みも緩和ケアの一つです。かゆみによって眠れない、イライラする、皮膚の損傷リスクがあり、生活の質(QOL)を考えるうえで非常に大きな問題の一つです。かゆみの原因は乾燥、内服薬の副作用、アレルギー、原疾患によるもの、心因性があります。原因を考え、軟膏の使用、内服薬・点滴/注射薬の使用を検討します。
・しびれの改善
しびれの原因としては、末梢神経障害によるもの、脊髄や神経根の圧迫によるもの、脳疾患によるもの、循環不全によるもの、心因性によるものがあります。原因を考え、内服・点滴投与、電解質の改善へのアプローチ、血糖コントロール、画像検索(病院紹介)、リハビリを行っていきます。